「……充さん?」
瞳ちゃんの声で、はたと現実世界に戻される。いや、マジ戻してくれてありがとう。
「うん?なになに?」
「飲み物、如何かなって」
そう言って今度は、遂さっき俺の顔面にクリーンヒットしてきた、レモンティーが入っているコップを差し出してくれた。
「ありがと!貰うよ」
にっと笑って手渡して貰うと、瞳ちゃんもまた笑ってくれた。そして、今度は銀ちゃんの方へと顔を向ける瞳ちゃん
一度、胸に手をあてて深呼吸。
その姿が本当にいじらしくて、応援したくなる。健気で、素直そうで、お菓子作りも出来る女の子。下世話な話、顔もチョー可愛い。兄貴にクリソツだけど。
オネエな兄貴、ついてくるけど。
「あの、ぎ、……銀さん」
瞳ちゃんの声に、顔を上げる銀ちゃん。おっと、脳内でアホなこと考えてる場合じゃなかったよ。何かこっちまでドキドキする!
「…のっ、の、飲み物を、その…」
「ああ、貰うよ。ありがとう」
すっと手を持ち上げ、銀ちゃんが瞳ちゃんの手からコップを受け取ろうとしたその時、
ちょん。
銀ちゃんの指先が、瞳ちゃんの手に僅かに触れた。そして、それと同時にコップが宙を舞う。



