眼帯×CHOCOLATE

お前はどこに対しての弁解をしてんだよと。そんな突っ込みは心のなかに留めて頂く方向で。話の続きをしようかと思う。

まあ、なんつうか。

銀ちゃんは昔からチョコレートと相性が悪いらしい。蕁麻疹や紅斑、浮腫み症状が出る普通のアレルギーだったならどんなに良かっただろうよ。だが、しかし。

食べると暴れる、みたいな?

いやいや、ただ暴れるだけならまだしも。あの最強にして最恐の杏姉みたくなんだよ。そこは似なくてよくね?って感じでどちゃくそ凶暴になって手がつけられない状態になってしまう。

まず、普通の人間に静止とか無理だから。0.1秒で諦めるね。それこそヒャクトーバンもんだ。でも、大切な幼なじみを、みすみす警察に差し出すなんてことはもっと無理。断固拒否。

そこで、俺の出番ってわけだ。

基本的には銀ちゃんをチョコレートから遠ざける。これが最重要にして最優先。ここ数年はしくじった事なんて無かったのに。今年は、やらかしてしまった。


あ、ヤベ。
俺、杏姉に
殺されるかもしんない。


「―――」

まてまて、落ち着け俺。大丈夫、バレない。バレないって。どんだけあの最強お姉さまの嗅覚が凄かろうが、セコム発動力がカンストしてようが、大丈夫。きっと大丈夫。俺、生きる。生きたい。生きていたい。


「あれ、これ詰んでね?」

……………。

詰んで堪るか!

俺は一度大きく深呼吸をして、頭の中と大荒れの心をリセットする。よし、いける。俺はやれる。よし。よおし!

そ、そんでもってだ。チョコから守れなかった時も、この充くんの出番ってわけ。件の最強お姉さまから直々に伝授してもらった、東雲家伝統の一発。

てか、ただの鳩尾ドパアン!なんだけども。

この神の一発で大抵は収拾がつくらしい。ぶっちゃけ、ただの力技だけど。迂闊な発言でもしてみなさいよ。ぜってー俺にもドパアン喰らわせてくる。

だから、お口ミッフィーな。