眼帯×CHOCOLATE

――黒凰学園、空き教室


「銀ちゃーん、あ~そ~ぼ~!」

手足をぶらんぶらんさせ、だらしなく声を掛ければ。べしっと、雑誌を投げ飛ばされた。

そんな俺を見て笑う爽と要。平和だけど、なんっか日々俺への扱いが酷くなってるような気がすんだよなー。

「気のせいだよ、ミツ」

あ、ハイ。

笑顔で言われると、ぐうの音も出ません。

だって銀ちゃんの後ろに、あン時の虎がまだ居座ってんだもの!油揚げの俺じゃあ対抗できねえって!三秒で胃のなかだわ!

「ぐおあ~!ヒマだー!」


「先輩、暇ならボクと一緒にナンパにでも行きませんっスか?」
「お、イイねえ~」

ナイス合いの手に、パチンと指を鳴らす。

とか言って俺、女の人若干苦手なんだけどさ。まあ、そこそこモテるのは不可抗力だししゃーないとして。あ、やっべ。自分で言っちゃったよコレ。つうか、


「誰だああアアァ!?」

目の前でしゃがみ込んでいる少年を見て、俺は思わず仰け反った。

にこにこ、にこにこ、

笑顔の可愛らしい少年。いや、マジでいつから居たわけ?全く毛ほども気付かなかったよコレ。忍者ですか?

え、忍者ってまだ居たっけ。滅んでね?