レンズ越しに、
カメラのシャッターを切るみたいに
映し出された奇跡の一瞬。
銀ちゃんの拳が椎名瑞樹の鳩尾に綺麗に決まり、椎名瑞樹はそのまま膝からドサリと落ちていった。
静まり返る周囲に、
銀ちゃんは静かに右腕を上げる。
瞬間、地面が割れるような歓声が起こった。俺達はそれを合図にすぐさま銀ちゃんのもとへ駆け寄り、その身を支える。
「…な、勝ったろ?」
綺麗な顔が台無しだ。髪の毛も乱れまくっててさ、服もズタボロ。けど、その表情は俺達がずっと待ち望んでいたものだった。
「やっぱ銀は最高のリーダーだよ」
「あったりまえでしょ!」
「まーな」
「…ふふ」
「おかえり、銀ちゃん」
東雲 銀、
黒凰学園トップに返り咲き



