眼帯×CHOCOLATE

いやいやいやいや!俺!そんな事は言ってねえよ?!ちょ、あの、先輩イイイ?!

助けを求めて、野々上先輩の方に慌ただしく顔を向けると。口パクで「ゴメーン☆」と、言われた。しかもウインクと舌チロリつき。

あ、コレ絶対語尾に星飛んでるやつ。



「ゴメンじゃねえええ!!!」

思わず、空気も読まずにロックンローラーよろしく全開のシャウトをすると。


「うっさいわ!」
「黙れヘタレミツ!」

怒られた。

当然の事である。つうか、なに?自分で自分をナレーションしてどーすんの俺。どーしたいの俺。どの方向性目指してんの俺。

「……ミッツン哀れ」

あ、ハゲに同情された。いや、ハゲとか言ってごめん。拾ってくれてありがとう爽サマ。

などと、ひとり爽に合掌しながら項垂れていると。要に太股をブッ蹴られた。


「始まるわよ」
「…っ!」

その一言で、痛みもなにもかも吹っ飛ぶ。

視線を地面から銀ちゃんに移すと、二人の空気が重く鋭くなっていた。お互いに睨みつけるだけの状態だけれど、見ているこっちが倒れてしまいそうな程の圧迫感。

指一本でさえ動かす事が出来ない俺達とは対照的に、野々上先輩がゆっくりと動き。


漆黒のブレザーを宙に舞わせた。