眼帯×CHOCOLATE

僅かに重なり合う切っ先。

静かな呼吸が伝わってくる、いや。俺のも伝わっているのか。


きっと勝負は一瞬。


だからこそ、その一瞬に全神経を注ぐ。それは先輩も同じだと思った。真っ直ぐに俺を見る目がそう言っているから。

勝ちたい。

なんとしてでも、勝つんだ。余計な事を考えるのはよそう。今、俺が戦うのは自分自身。





『お前らと居ると楽しくて、言うと離れて行くんじゃないかって思って、結果的に騙す様な利用する様な形になってた…』

『みー兄の夢はね、皆が笑顔で居られるような世界にする事なんだよ』

『これは推測なんだけどね、東雲君も瑞樹と同じ思いなんじゃないかなって思ったんだ。そしてキミ、甲斐君。甲斐君は僕と同じなんじゃないかなって』



俺達の願いは、ひとつ。















「―――!」

そして、親父の唇がゆっくりと開かれた。