◆◆◆
2月14日、Valentine's Day
この日、遂に事件は起こってしまった。俺もうっかりしていたんだ。いつもは注意していたのに。目を光らせていたってのに。
「キャアアァ!」
始まりは、
遠くの方から聞えて来た破壊音と悲鳴。
授業中に喧嘩か?元気だね~、ぐらいにしか思ってなかった俺は、机に突っ伏して我関せずオヤスヤァ状態。
そして、担任の制止を振り払って飛び出した何人かの野次馬クラスメイト達が戻って来て言い放った言葉に、やっとボケた頭を覚醒させた。
「すっげーよ、東雲がチョー暴れてんの!あいつ切れたりする奴だったっけ?」
「まさに破壊神だなー」
「?!?!」
「あ、ちょっと甲斐くん?!」
今度は俺が担任に静止される羽目になったけど、そんな事を気にしている場合じゃあない。時は一刻を争うんだっつーの!
「すぐ戻るってセンセー!」
「コ、コラ甲斐くん!」
オロオロと狼狽える担任と、窓から体を乗り出して見送ってくれる友人達。申し訳ないけど、今は両者構っている暇はないと前だけを向いて走り出す。
ヤバイ!ヤバイ!やっべえええええ!
オリンピックの選手並みの全力疾走を繰りだしながら、俺は何度も頭の中で絶叫した。
「早まんなよ銀ちゃん!」
廊下の端から端の距離が、こんなにも長く感じられたのは初めてだ。もし取り返しのつかない事になっていたら…
「いやいや!違げえって!ダイジョーブ!きっと大丈夫!だよな、銀ちゃん…!」
不安要素を消したくて。頭を左右に激しく振って自主突っ込みを入れる。徐々にクリアになる件のクラスから轟く破壊音と悲鳴は。いや、ウン、違う、…よな?
突然ですが、
俺にはこの世で恐いものが三つだけあります。一つ目は納豆。なぜ人は腐った豆を食べようと思ったのか。なぜ人はアレに栄養価を求めるのか。ワカラナイ。取り敢えず、一番最初に納豆作った奴ハゲろ。末代までハゲろ。
二つ目は親父。ベッタベタだけどマジで恐い。俺の剣道の師匠でもある訳だけど、如何せん恐い。人を殺ってきました。みたいな眼力で帰ってきた時は、般若心経を唱えるぐらい恐い。普段のとのギャップも相俟って恐い。腹立つからハゲろ。親父限定で。
そして三つ目、“銀ちゃんとチョコレート”
2月14日、Valentine's Day
この日、遂に事件は起こってしまった。俺もうっかりしていたんだ。いつもは注意していたのに。目を光らせていたってのに。
「キャアアァ!」
始まりは、
遠くの方から聞えて来た破壊音と悲鳴。
授業中に喧嘩か?元気だね~、ぐらいにしか思ってなかった俺は、机に突っ伏して我関せずオヤスヤァ状態。
そして、担任の制止を振り払って飛び出した何人かの野次馬クラスメイト達が戻って来て言い放った言葉に、やっとボケた頭を覚醒させた。
「すっげーよ、東雲がチョー暴れてんの!あいつ切れたりする奴だったっけ?」
「まさに破壊神だなー」
「?!?!」
「あ、ちょっと甲斐くん?!」
今度は俺が担任に静止される羽目になったけど、そんな事を気にしている場合じゃあない。時は一刻を争うんだっつーの!
「すぐ戻るってセンセー!」
「コ、コラ甲斐くん!」
オロオロと狼狽える担任と、窓から体を乗り出して見送ってくれる友人達。申し訳ないけど、今は両者構っている暇はないと前だけを向いて走り出す。
ヤバイ!ヤバイ!やっべえええええ!
オリンピックの選手並みの全力疾走を繰りだしながら、俺は何度も頭の中で絶叫した。
「早まんなよ銀ちゃん!」
廊下の端から端の距離が、こんなにも長く感じられたのは初めてだ。もし取り返しのつかない事になっていたら…
「いやいや!違げえって!ダイジョーブ!きっと大丈夫!だよな、銀ちゃん…!」
不安要素を消したくて。頭を左右に激しく振って自主突っ込みを入れる。徐々にクリアになる件のクラスから轟く破壊音と悲鳴は。いや、ウン、違う、…よな?
突然ですが、
俺にはこの世で恐いものが三つだけあります。一つ目は納豆。なぜ人は腐った豆を食べようと思ったのか。なぜ人はアレに栄養価を求めるのか。ワカラナイ。取り敢えず、一番最初に納豆作った奴ハゲろ。末代までハゲろ。
二つ目は親父。ベッタベタだけどマジで恐い。俺の剣道の師匠でもある訳だけど、如何せん恐い。人を殺ってきました。みたいな眼力で帰ってきた時は、般若心経を唱えるぐらい恐い。普段のとのギャップも相俟って恐い。腹立つからハゲろ。親父限定で。
そして三つ目、“銀ちゃんとチョコレート”



