本当の、本気の瑞樹の想いを知っていたから。静樹ちゃんに聞いたんだ。


『みー兄の夢はね、皆が笑顔で居られるような世界にする事なんだよ』


あの馬鹿、どうせ一人で悩んで傷付いて、変な事を考えているに違いない。作りたい世界と、どんどんかけ離れていく自分に嫌気がさしているんだろう?

悩んでいるならぶつけて欲しかった。頼って欲しかった。でも、不器用な瑞樹はそんな事出来なかったんだよね。

なら、遠ざけられようが無視されようが、僕はしつこく付き纏う。だって、約束したもの。


『止めてあげる』って。

瑞樹が暴走するなら僕がストッパーになる。瑞樹の手を汚すぐらいなら、僕の手を汚そう。

一人で何もかも抱え込まないで?瑞樹の痛みは僕にも渡してくれたらいい。




だから僕は待つ。

瑞樹がまた“メグ”って、笑顔で呼んでくれるその日まで。――いつまでも。







『メグ、今日うち来えへんか』
『え、良いの?』
『オカンと静樹がお前連れて来いってうっさいねん…』
『あはは!瑞樹も皐月さんと静樹ちゃんには甘いよね』
『……アホぬかせ』
『ねえ、お土産なにが良いかな?』

『その辺の石とかでええやろ』
『ええ~?』
『やから、それキショいって』

『もー、酷いなあ』



いつまでも。