――と、

まあこんな感じで賑やかな日常をあの頃の俺たちは送っていた。


お調子者で体力馬鹿、
恥ずかしながらガキ大将だった俺

甲斐 充


愛されキャラがゆえにイジメられ…
つか、弄り倒されていた泣き虫な幼なじみ

東雲 銀


傍から見たら正反対な二人。それでも、このあべこべ具合が心地良いとか思っていたのは俺だけじゃないと信じたい。

小二までクラスも同じで、銀ちゃんにちょっかいを出す奴には俺が制裁を加えていた。それに、魔王さm…杏姉の存在も大きく、目立って銀ちゃんをイジメる奴は居なかったんだ。

けれど、

三年生になってから、少し雰囲気が変わり始めていた気がする。クラスが離れてしまい、今まで大人しくしていた奴らが調子に乗り始めるようになっていた。

そりゃさ、わかるよ?

ぶっちゃけ銀ちゃんは反応が面白いし天然だし、可愛いから弄りたくもなる。俺だって幼なじみじゃなかったら、率先して弄くり隊長に立候補していただろうよ。

あ、やっべ。チョー失言。

ととと兎にも角にも!俺というバックが離れてしまい、今まで隣の中学校でその存在感をひけらかしていた杏姉も居なくなって、確実にガードが緩くなってしまった銀ちゃん。

まさに、猛獣のなかに抛り込まれた仔猫。いや、仔兎?寧ろハムスター?ヤだ!超絶可愛い!モフりてえなチクショウ!

……………。

ま、まぁ、要点は伝わったよな?銀ちゃんがより一層危うくなったって事だ。

同性からのからかいだけなら未だしも、女子からも弄られ、剰え先生からも弄られていた…のを、体育の時間に目撃してしまった俺の気持ちを140文字以内で答えて欲しい。

ホント、どうにかしてやりたかったけど。クラスが違うのはやっぱり痛くて。それに、銀ちゃんにだって男のプライドってもんがある。だからこそソっとしておいたんだけど。

そもそも、それが間違いだったなんてな…