もっと他に重大な理由とかあると思ったあたしがバカみたい。

歯止めが利かなくなるってそれってつまりは……やめておこう。

軽く扉をノックしてから部屋に入ればそこには腹筋をしている桜太君が。

何をしているかは分かるけれど、何で腹筋をしているのか分からない。

もし決闘の前のトレーニングならば少しは役立つかもだけど、

……こう言うのってなんて言うんだっけ?もう直前になって何をやっても駄目な事って。

付け焼刃?うん。それだ、それだと思う。やらないだけマシとはいえ……

すぐに筋力になると言う訳でもないんだけどな。


「何か用か?」


ぼーっと突っ立っていたら腹筋を終えたばかりの桜太君が一言。

結構やったと思うのにあまり疲れていないように見える。まだやり始めだったとかかな?


「余裕そうに見えて、やっぱり不安なんだね」

「余計な御世話だ。用はそれだけか? ならもう良いだろ?」

『儂はまだあるぞ!』