お姫様と1.5人の男

そこであたしは初めて桜太君が頬を赤らめているのを見た。

坊ちゃん呼ばわりが恥ずかしいのかもしれないな。

……ってそんな場合じゃない!何て言い訳をすれば良いんだろう?


「それなら佐宗が全て知っているから佐宗に聞いて?」

「えっ……!? あ、おはようございます……実はですね……」


あたしが全てを知っていると言わんばかりにパスされても困る。

そのせいで桜太君の代わりに、あたしは何を言おうか必死に考える。

桜太君だって知っている筈なのに、本当に最低だ。押し付けるだなんて。


「彼が寝ぼけてフラフラしていて何の夢を見ていたのかいきなり、
“出ていけジジイ”だなんて突然怒鳴りまして……多分、それかと」


あたしに全てを押しつけた桜太君へのささやかな復讐のつもり。