お風呂も此処はスーパー銭湯かって思うくらいに大きいし、

部屋も初めてお姫様のようなベッドを生で見た気がする。

玄一さんとは“夫婦”だけど、

流石に桜太君へ憑依していても一緒に寝るのは無理な話。

男の人と一緒に寝るってこと自体、あたしはまだ出来なかったから。

もし桜太君より早く起きたらその寝顔にきっと緊張してしまうし、

桜太君の方が早く起きていたら、

あたしのへんてこな寝顔を見られてしまう。それは嫌。


『儂は雪佳ちゃんと一緒が良い……桜太、なんとかせい!』

「俺がジジイの身代わりになれとでも? 断る」


間際まで渋っていたけれど、結局は大人しく諦めてくれて良かった。

初めての薩川家でのお泊まりは子供かと言われても仕方ないけれど、

興奮して眠れなかった。