「今すぐ出てけぇーっ!!」


やっぱりあたしに向かって怒っているの!?だって此処にはあたしだけだから。

その迫力に押されて出て行こうとしたら、桜太君とは違う声が聞こえたの。


『お前さんは出て行かんくて良い、出て行かんくて。ウェイトウェイト』


変な所で英語を交えるのは桜太君ではなくて、此処では初めて聞く声。

おじいちゃん……のようだけど、おじいちゃんらしき姿は見当たらなくて。


『儂(わし)なら此処』


ぬっと目の前に現れた紳士風のおじいちゃん。か、顔が近いんですけど……

突然すぎたから言葉も出なかった。このおじいちゃん何者?何処から湧いて出たの?


『やっぱり別嬪さんだ』


視線を桜太君に向ければ、桜太君は溜息を吐いた。