お姫様と1.5人の男

「うん、決めた」


騒然とする中で、その雰囲気にのまれる事なく笹川さんは一言。

ねえ、まさかとは思うけれど…………


「結婚式も取り入れちゃおっか」


嫌だ。絶対嫌だ。そんなあたしの心の内を代弁するかのように、

女の子達は反対をし始める。でも笹川さんは言った事は必ず実行する人。

無理なんだよね…………はあ。玄一さんの所為なのに。

色々と落ち込んでしまっている時、目の前に立ちはだかっているのは歩子さん。

腰を抜かしてしまったあたしを何も言わずに強引に連れ出して、

やって来たのは2階の図書室前。教室は3階だからやっぱり誰にも聞かれたくない事?

ちょっと話すだけなら教室のすぐ出た廊下でも良いと思うから。