お姫様と1.5人の男

突然すぎやしないですか、桜太君よ。

何も言えなくなっちゃったよ。でも桜太君は気にしないで、怒鳴る。


「だったらジジイが飽きるまでいろよ。もう面倒だし。
その代わりこいつはジジイの嫁でも何でもないから、絶対に手出しするな!」


と、玄一さんに言ったその瞬間。ガラリと扉の音が聞こえる。

何とそこには桜太君の次に早く来る事の多い、華ちゃんがいるではないか。

その後ろには宮瀬君も。今の桜太君の言葉が聞こえていたのか、2人とも固まっている。

あたしや桜太君も固まること数秒。


『望む所だ!』


玄一さんの沈黙を破るような一言を皮切りに。


「え!? 何、やっぱりお前達デキていたのか!?」

「せっちゃんってば……隠さなくても良いのに」


2人がうるさくなる。手出しするなと言った桜太君は赤面するし。

……まあ、もう否定したら嘘になっちゃうけど、あまりバレたくはなかったなあ。