『もうやっぱり退屈でのう……折角だから2人のアツアツを堪能しようと思ってのう』


何その理由。でも実はそれは表の理由だろうな。裏の理由は多分、


「自分が先に転生するからタイミングのずれが生じる。なら一緒に転生ってか?」

『そういう事。桜太、未亡人な雪佳ちゃんなんだからな? デリケートなんだからな?
扱いはそーっとだぞ? 乱暴に扱ったら…………』


あ、やっぱりそんな理由なんだ。未亡人じゃないけどね、あたし。

折角恋人になれたのになあ……つまんない。

帰って貰いたいけれど玄一さんは帰ってくれそうな気配ではない。

それどころか、あたしの心の内を読んだかのようにこんな言葉を。


『安心せい! 儂は2人を邪魔しないぞ! 呪いからなんかも守ってやる。
桜太は良い友達を持ちすぎたからのう……雪佳ちゃんと一緒に転生するまで、
2人の守護霊になる事に決めたんじゃ! 誰にも文句は言わせんぞ』

いや……勝手になられてもねえ。

そんな事を思っていたら、突然桜太君に腕を引っ張られて不意打ちのキス。