お姫様と1.5人の男

玄一さん……何度もその言葉を振りかざすのは流石に桜太君も限界があるんじゃ?


「玄一さん?　言い過ぎ。桜太君、気にしないで。代わりにあたしが取りに行くから」


ちょっと桜太君が可哀想にもなって来たから、代わりにあたしが取りに行く。

右から2番目って言っていたからあたしでも分かる。

玄一さんを軽く殴りたい気持ちはあったけれど、それは出来ない。

だから代わりにとびきりの笑顔をプレゼント。今度は玄一さんが怯えていた。


「これかな?」

『た、頼むから……雪佳ちゃん……その怖い笑顔やめてくれないかのう……』


あたしには何の事だかさっぱり分かりませんね。

玄一さんに少し古びた赤いアルバムを渡すと、それを見ていた桜太君が笑った。


「佐宗もじいちゃんの扱いが分かって来ているな」


そりゃあね。3日もいれば大体は分かってくるよ。