お姫様と1.5人の男

『まずはそうだのう……嫌だけど仕方あるまいか』


そうブツブツと言ってやって来たのはあの書斎。昨日のいわゆる事件現場。

いや、事件にはなっていないんだけどね。元は玄一さんや渡部さんの勘違いのせいだし。

そんなすぐに空間の雰囲気が変わる訳じゃないけれど、昨日と相変わらずの雰囲気。

辺りを見回してから玄一さんは桜太君に“あそこのアルバムをゲットしろ”と命令。

命令された事が嫌だったらしい桜太君は、

玄一さんが幽霊だから渋々とそのアルバムを取りに行く。


「これか?」

『そうそう、これだ。あと、あそこの……右から2番目のアルバムも持って来てくれないかのう』

「……!? 断る」

『良いじゃないか、この際だしのう……』


1冊の淡い水色のアルバムを玄一さんに渡すと、またアルバムを持ってくるように言う玄一さんだったけど、

そのアルバムを確認した桜太君はかなり嫌そうな表情。何で?

嫌がる桜太君を玄一さんは“呪い殺すぞ”と言う一言で黙らせる。