もうそれは不機嫌に言ったのと圧力をかけたと言うのもあるかもしれない。

宮瀬君はコクコクと首を何度も縦に振った。

よし、審判がそう言うんだからもう何も言えないよね?

不満は幾らでも零して良いけどこの勝負は誰が何と言おうと、引き分けって事で。

総合的に見ても1勝1敗1引き分け。完全なるドロー。

あたしは2人の物だって?んなまさか。そんな訳ないじゃない。

と言うか皆あたしがどっちかの彼女になるとか思っている訳?

何をどう間違えばそうなるのかな……どんな風に噂が広まったんだろうな。


「って事は、二股なのか!?」

「あ、しまった!　そうじゃん。何喜んじゃってんの自分……」

「いやぁー!!　不潔!!」

「……んな訳ないでしょ!?　そもそもあたしは桜太君の彼女じゃないってば!」


悲鳴とか色々聞こえてくるから否定するけど、ウメスケ君をはじめとする皆は、

やっぱり桜太君の彼女があたしだと認識しちゃっている。

あーあ、もう面倒だからとっととキスしてお終いにしてしまおう。