お姫様と1.5人の男

あたしが桜太君の方を見ていると、視界にはウメスケ君も入って来る。

ウメスケ君はあたしがこっちを見ている事に気付いてか、顔を赤く染める。

あたしが桜太君を見て怒ったのか、それとも別の理由なのか。

あたしには全く見当もつかない。ウメスケ君は何であたしのキスなんかが欲しいのかな?

すると審判の宮瀬君が説明を始めた。腕相撲は3本勝負。先に2本先取した方が勝ち。

……だったら決闘は腕相撲3本勝負でお終いにしちゃえば良かったのに。


「3本勝負なのは悔しいからもう1回やらせてほしい、とかの意味か?」


桜太君が鼻で笑ってウメスケ君に上から目線で言う。

ウメスケ君はムキになって反論する。“んなんじゃねえ!”と。

桜太君は挑発しているんだろうなあ……あたしもあんな挑発されたら黙っていられないよ。


「さ、佐宗さん!」

「は、はい!?」


突然ウメスケ君に呼ばれる。するとウメスケ君は意を決したかのように、


「か、必ず迎えに行くから……」