お姫様と1.5人の男

そういえば次は腕相撲って言っていたけど、何処でやるの?

使えそうな台もないし、場所もない。……と思いきや。


「出来たぞー!」


皆が声のした方を振り向けば、そこにはシートの上に木の箱を何段か重ねただけの場所が。

あの木の箱の出所は一体……?

ウメスケ君は作ってくれた岩山(いわやま)君に、目を輝かせながらお礼を言う。

あ、そうか。岩山君は大工の息子で、工作が得意だから自分で作れるのか。

あの数作るのは無理だから残りは適当に拾い集めたとか?

そこまでした手の込みよう。腕相撲の為だけに作られた木箱はどうなるんだろう?

誰かが持ち帰って収納にでも使うのかな?あ、だったら1つ欲しいかも。

後で交渉してみようっと。


「桜太、さっきは負けてやったんだからな? 勘違いするなよ?」

「……はいはい」


更に闘志を燃やすウメスケ君がそこにいた。