お姫様と1.5人の男

「…………う、ん」


頭の中の混乱が収まりかけてきた時、桜太君が目を覚ます。

ぼんやりとした目であたしを見てくるから、反応に困ってしまう。

何と言うか、無防備すぎやしません?寝起きってそんなものかな?


「き、気分はどう……?」


精一杯振り絞って出てきた言葉がこれ。

もっと別の言葉が良かったんじゃないかと、後から思っても仕方ない。

言葉をかけてもただただ、じーっとこっちを見るだけで何も言わない桜太君。

大峰さん、確か頭の打ち所は大丈夫とか言っていたよね?

もしかしてまだ頭の回転が鈍っているのかな……?


「…………! あんのジジイ勝手に……っ」


いきなりカッと目を見開いて飛び起きたかと思えば、

打った所の痛みに悶(もだ)え出す桜太君。あ、元気そうだ。