「ずっ……はあっ」 涙ぐんで詰まった鼻を啜りながら顔を上げた時だった。 「……っ!!?」 びっくりした。 息が止まるくらい。 だって…だって…… 顔を上げた先には、ばっちり目を開けた高広がこっち見てたんだもん! ガタン! 「きゃ……っ」 思わず椅子から立ち上がろうとして傾いた私の身体を、高広の腕に力強く引き戻された。 それが、あまりにも勢い良すぎてぐんぐん高広の顔が近づいてくる。