いつもより、澄んでいる。 本来の海の青、そんな気がした。 僕はその青に吸い寄せられるように、その足で海岸へ降りた。 磯は岩が突き出て足場が悪く、履いていたスニーカーが少し濡れてしまった。 制服が濡れると母に叱られるので、足元に注意しながら進み、岩場を抜ける。 「ふぅ……」 一息ついて、海岸を見渡した。