「私もわだつみに呼ばれたの、この場所で。ミナト、キミと私はこの海のもの」 彼女の白い頬に、鱗(うろこ)が浮かんでいる。 青いヒレが見えた。 彼女が冷たい両手で、僕の顔を包む。 人魚。 僕が聴いた、あの歌は人魚の言葉だったんだ。