案の定、彼女はそこに居た。 岩陰にちょこんと座って、僕を見上げると笑った。 「こんにちは。僕、キミに謝らなくちゃって……その、良ければキミの名前、教えてくれるかな」 彼女は目を丸くした。 そして、ゆっくりと言葉にする。 「私はマリン。知ってるよ、キミは──ミナト」