風に乗って、彼女の歌は聴こえていた。 しかし、昨日の場所に行っても彼女の姿はなく、しずかな波が僕の足元で音をたてた。 普段は行かない、少し離れた入り江の方から声がしているようだ。 僕は迷わず、入り江へと向かった。