友人は呆れたように笑って、机のカバンを掴み取る。 「まぁいいや。俺、先帰るから、あとお前一人だぞ」 「……ああ」 もうみんなとっくに帰ったのか。 がらんとした教室を見れば、状況はすぐに理解できた。 友人が教室を出ていった後、僕もカバンを掴んで立ち上がった。 海へ、彼女に会いに行く為に。