「桃、コイツ誰…?」 「えっと… ひびきの弟の、ひかる君」 あたしが説明すると、「メイドが言ってた客ってコイツだったんだな」と呟いていた。 「はじめまして、結城ひかるです。お会いできて光栄です、菅谷社長」 「あ…ああ………」 ひかる君は、遼平さんの手を取ると、しつこいほどに振り回した。 そんなに会えてうれしいんですかってほどに。 「ねぇ、ひかる君。 用終わったんなら帰ろうよ」 あたしはひかる君の背中を押した。 遼平さんと一緒に居させちゃいけない、 そんな気がしたから。 .