「あっ、佐々木さんに結城さん。 写真撮るの?」 「野坂君っ……!!」 ふと、あたしたちの前を通りかかった野坂君が声をかけてきた。 野坂君も、無事に志望校に合格したそうで。 そんな野坂君は、いつもに増して輝いていた。 「ちょうどよかった!! 野坂君、写真撮ってくれない?」 「もちろんいいよ」 野坂君はひびきが持っていたカメラを受け取った。 その間に必死に涙を拭くひびき。 この時間が、 あたしにとって、気持ちよかった。 .