「…っ偶然だよ偶然!!

お兄ちゃんの職場の人達待ってるだろうし、早く行かなきゃ!!」




あたしはブンブンと首を振ると、気を取り直してホテルの中へと入っていった。


ホテルの中は、旅行に来たような人達がフロントに列を作って順番を待っていた。



あたしは、二年前と同じ会場に向かうために、フロントの左にある通路に向かう。


通路を真っ直ぐ進むと、目の前に大きな扉が現れた。





その扉こそが、会場への入口だった。




「…あたし一人入っても気まずくないかな?」




ふとそう考えたけど、ここに居てもどうしようもないため中に入ることにした。


あたしがそっと扉を開けると、会場は何故か真っ暗だった。




「部屋間違えた…?」




そう思って、引き返そうとしたそのときだった。




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