「この日にち……」 あたしの言葉の続きは、喉がつっかえて言えなかった。 …八月二十日。 あたしと遼平さんが、初めて出会った日。 今でも忘れるはずがない、思い出の日だった。 「でも、どうせ偶然だよね?」 あたしはそう呟いてそのことを処理すると、そのカードを封筒に収めた。 …どうせ、お兄ちゃんの職場の人との集まりに連れて行かれるんだろう。 あたしはそう考えながら、ダイニングを後にした。 .