「…何よ」 俺は見逃さなかった。 …美香の顔に動揺が見られたことを。 「お前、こんな俺よりも自分の事を想ってくれるヤツのほうがいいんじゃねーのか?」 「なっ…!!」 「俺は、アイツの元に戻りたいんだ。 契約なんかどうでもいい。 危ない目に遭わせたけりゃ遭わせればいい。 その代わり、俺はどんな手を使ってでもアイツを守る。 そのくらい…俺には桃が必要なんだよ!!」 キッと俺達はお互いを睨みつける。 美香は悔しそうに歯を食いしばった。 .