あたしの目からは、大粒の涙が溢れ出してくる。


そんなあたしを、ひかる君は一層強い力で抱きしめてきた。




「…だからもう少し、このままでいさせてください。


―――俺と別れてください、桃さん」



「…ひかる君。

今までごめんね。


そして…ありがとう!!」





確かにあたしは遼平さんが忘れられないよ。



だけど…


暗闇にいるあたしに笑顔を取り戻してくれたのは、紛れもなくひかる君だよ。


光のある世界にあたしを導いてくれたのは、絶対ひかる君だった。




次は、お互いに笑顔で会えるようになれたらいいね。





「…またね、ひかる君………」




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