「ねえ、遼平。 アタシこれ欲しいな?」 「勝手に買えば?」 俺は美香が見せてくる雑誌をスルーする。 そんな俺を見て、美香は不機嫌そう。 あれから一年と少しが経った。 一応、俺と美香の「契約」は続いていた。 …たぶん、これからもずっとこの関係が続くんだろうな。 俺が桃を想い続ける限りは。 「やっぱり遼平は冷たいわね。 アタシに興味ないわけ?」 「ないね、ちっとも」 美香の言葉をスルーして、俺は部屋を出た。 .