あたしの涙が治まったのは、テレビ番組が変わった頃だった。 「大丈夫?桃…」 「うん…、ごめんね」 あたしはひびきからティッシュを受け取った。 勢いよく鼻をかむ。 そんなあたしに、ひびきは呟いた。 「桃が菅谷社長のことが好きなら…あたしはひかると別れたほうがいいと思う」 「うん…」 「もちろん桃のことだから、ひかるに悪くて別れられなかったんだよね? だけど、今のままではいけないと思うんだ」 …なんでひびきは、こんなにもあたしのことが分かるんだろう。 .