「桃、ちょっといい??」
ひかる君と他愛のない会話をしていると、突然ひびきがやってきた。
「あれ、野坂君は??」
「帰った、というか追い出した。
ひかる!!桃借りてくから」
ひびきはひかる君にそう告げると、あたしの手を取ってひかる君の部屋を出て行った。
強引なひびきに、ひかる君は何も言えなかった。
「ひびき、どうしたの…?」
隣のひびきの部屋に移ったあたし達は、テレビを観ながらくつろいでいた。
なんか、さっきの態度では急いでいるように見えたんだけど…。
「桃、ぶっちゃけ聞きたいことが―――」
ひびきが言葉を発した瞬間、テレビから思いもよらない言葉が聞こえてきた。
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