「なんで毎回勝手に上がるの?」
「勝手じゃない。
おばさんが上げてくれるだけ」
部屋に入るなり、ひびきと野坂君の言い合いが始まった。
…実はですね。
つい最近、この二人付き合い始めたんですよ。
詳しい理由は知らないけど…きっと二人の間に何かがあったのは事実。
あたしは気まずいと言うかのように喉を鳴らすと、二人はあたしの方を見た。
「悪いな、佐々木」
「…あたし達、周りが見えなくなるところだったよ」
二人して苦笑いするひびきと野坂君は何気お似合いだ。
あたしも二人につられて笑うと、突然後ろから声が聞こえてきた。
「何やってんですか…」
「ひかる君!!」
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