「お待たせ、待ったでしょ?」
「全然!!
突然押しかけたあたしが悪かったんだし」
バカなことにあたしは、ひびきに会う約束を取り付けていなかった。
だからひびきも当然のように驚いていた。
あたしはケーキ屋に隣接しているひびきの家へと向かう。
ひびきの部屋…久しぶりだな。
ワクワクした気持ちを抑えながら階段を上ると、ひびきは突然溜め息をつき始めた。
「どしたの、ひびき…??」
「…また勝手にやらかして」
あたしの質問には答えず、勢いよくひびきは自分の部屋のドアを開けた。
そこには…
「うわ…って、佐々木?」
「野坂君じゃん!!」
そう。
文化祭のシンデレラ事件のときの野坂君がいた。
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