さっきまで幸せいっぱいだった雰囲気が、急に変わる。


気まずい空気の中、遼平さんが口を開いた。




「桃、別れよう…」



「えっ………」




遼平さんの表情は、さらに厳しいものとなっていく。




「もう、桃とは一緒にいられない」




…なんでよ。

言ってる意味が分からない。



あたしが言いたい言葉は、全て涙によって吸い込まれていく。




「…ごめんな、桃。

家にあるお前の荷物は全部送り返しておくから。


だから、元気でな」




言い捨てるように一気に言葉を吐き捨てると、既に服を着ていた遼平さんは荷物を持ってホテルの部屋を出て行った。




あたしの心が、崩れていく瞬間だった―――




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