「桃、どうし―――」 「遼平さんっ!!」 あたしは大声で遼平さんの言葉を遮った。 その途端に遼平さんは黙り込んでしまった。 …知られたくなかった。 あたしがひかる君にキスされたこと。 もし遼平さんに知られたら、間違いなく遼平さんはひかる君を殴りにいくだろう。 でも、そんなことして欲しくないから。 遼平さんは大企業の社長。 事件なんか起こしたら、会社がダメになっちゃうかもしれない。 だから、言わない。 あたしは遼平さんが大好きだから。 遼平さんを守るの。 .