スタートライン -Second☆Season- *甘い生活は、俺様社長と?*




それは一瞬だけの出来事だったけど、あたしは咄嗟に口元を押さえた。


…何が起こったか、分かってしまった。




「すいません、桃さん。

だけど俺、やっぱり桃さ――」



「――…――………って…」



「え?」




あたしが震えながら発した声は、ひかる君には届いていなかった。


あたしはいつの間にか出て来ていた涙を堪えながら叫んだ。




「…あたしの前から去ってっ―――!!」




ここが道路だろうと、

いくら知らない人に見られてコソコソ噂されようと、

今のあたしには関係なかった。




ただ、悔しい。

それだけであたしはひかる君を睨み付けていた。




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