それから追い出された全員は特にすることもないので、言われたとおり解散することにした。
 常磐、藍奈、璃寛と檸檬はそろって自分らの寮へ、紫音、茜、朽葉は学園外にある自宅へ足を向ける。
 麟紅は、というと、

「紫音、そういえば今日はバイトだった。ちょっくら行ってくる」

「ええ!? 今日はシチューを作ろうと思ってたのに!」

「シチュー? それ、おいしいんですか?」

「ご飯が必要のない白いカレーでござるな」

「七時から十一時までのシフトだから残しといてくれよ。帰ってから自分で温めて食うから」

 紫音の首肯を認めると、麟紅は足早にバイト先へかけていく。そういえば、傘を学校に忘れた。明日雨が降ったらどうしようか。