晶は水辺で目を閉じた 朧月の月光ではほとんど何も見えない夜だった 精神を研ぎ澄まし、沼の奥底を探し回る 微かに光る物があった 「そこね…。」 目を開き沼の水面すれすれを歩いて移動した 靴のつま先が水に触れ、波紋が起こる そして立ち止まった この下に眠っているんだわ 晶は淋しそうな眼差しをして両手を湖面へ向ける