至適彼氏

俺はもう、仁菜から抜け出せない。



「今の言葉、絶対に忘れんなよ。」



きっと、いつもみたいに慌てふためいて百面相になんだろうな…。
慣れてはきたけど、好きな子に怯えられるのは、正直辛い気もする。
かといって、仁菜をからかうのは止められないし。


ほら、早く困った顔見せろよ。




仁菜は俺から視線を外さず、ゆっくりと頷いた。



言ってる意味、分かってんのか?

「やっぱり今のナシ!!」とか言い出すんだろ?



潤んだ瞳で俺を見る仁菜の表情は変らず…。



ふっ。
笑いが込み上げる。
俺、こんなに幸せでいいのか?


絶対に離してやらない。
手放すもんか。



俺の、俺だけの『至適彼女』。