『でもね、私も唯子の言い方に少し引っかかったな』

「なに?」

『【高校も卒業してない奴】って言い方。高校で勉強して、ちゃんと卒業することがそんなに偉いことなのかな?』

「・・・。」

『確かに竜君は高校中退だけど、真面目に仕事に励んでるよ?私たちは勉強を頑張って、彼は仕事を頑張ってる。頑張ってることが少し違うだけじゃない。勉強と仕事、どっちが価値があるかなんて決められないでしょ?』



私は何も言い返せなかった。

確かにそうだ。

同時に、ユリちゃんがいつもより大人びて思えた。



私は・・・なんて子供なんだろう・・・