「え!?」

僕は飛び起きた。
いつからいたんだ?
部屋には誰もいなかったはずだ!!

いや、そんな事より浮いている!!

床から離れて浮いている! 

そして顔には微笑を浮かべている。

うわ、可愛いなこの子!

などと思った自分は酷く危機管理意識が低いと認識させられた。
自分自身にさせられた。

というか可愛過ぎる。

大きく澄んだ瞳と、綺麗なロングヘアーはギャルゲーで主役を張れる萌え要素だ。

僕がこの奇怪な現象に対峙して逃げ出さないのは、目を離せない程の美少女だからだ。

どうやら萌え美少女というのは、あらゆるマイナス因子を無効にするものらしい。

「ふふ。警戒しなくていいわ。
ここで謎かけ遊びをしても楽しいのだけど、読むのとか面倒だろうからストレートに言うわね。

私は君の守護霊よ。

今日から毎日一緒だから、よろしくね」

 ――唐突過ぎて理解が追いつかない。
読むのが困難なのはこの子の真意だ。

シュゴレイ?

ハイゴレイとかアレの事か?
 「つまり僕の背後霊なわけ?」

「そそ。君の後ろで背後霊」

「ファ、ファイナルアンサー?」「ごめん。私って、見ての通りに英語が全く分からないの」

・・・・・・・さっき、ストレートとか言ってなかったか?

見ての通りって、普通に女子高生だし。いや、浮いてるけど。

「ちなみに名前はニキータよ」

「モロ英語名じゃん!」

「残念、フランス名よ」

「突っ込みトラップ?!」

「フフフ甘いね君。こんな初歩にかかるなんて、ケルベロスの涎より甘いと言わざる得ないわね」

「飲んだ事ないからそんなの!」

てかメチャメチャ辛そうだし。
地獄から来たと言わんばかりだし。

コワイよこの人。
萌え美少女特性を持ってしても、コワイよ
陰陽師とか呼んだ方がいいのかも。