「前川くんは?!」 あたしは前川くんのクラスに行った。 いつもなら、前川くんの彼女、とからかわれるはずだけど、あたしの勢いに素直に答えてくれた。 「あ~…。帰ったよ」 授業はまだある。 でももう、帰っちゃえ。 前川くんに謝って、それから…。 それから、あたしの気持ちも言いたかった。 なのに…。 「前川、くん………?」 事故現場。 赤い血の周りには前川くんが倒れている。