私は1人暮らしを始めようと考えていた。 実家は狭く、とてもじゃないけど人を呼べないし。 たかちゃんとの距離を少しでも縮めたいし。 私は健太の時のお金を崩してはいない。 店長が振り込んでくれたお金。 それを資金にしようと思う。 そして住宅の情報を見ていたら。 「…俺も引っ越しするわ」 と言い出した。 一瞬ね。 同棲を期待しちゃった。 でもそんなんじゃなかった。 全くね。 「沙知が自由に来れるようにするから、待っててね」 たかちゃんはそう言ったの。 私のことを考えての引っ越しだった。