とある競技場で、今、俺は、注目を浴びている。



「選手宣誓、選手代表、モヤシ男さん!」


マイクを通して、男性の大きな声が響いた。


「はい!」


俺は、控えめな声で返事をする。


そして、駆け足で前へと駆け出した。


マイクの前に着くと、ゆっくり深呼吸をしてモヤシ茶を一杯。


うん、美味しい。


そして、ゆっくり華奢な右腕を空に向かって伸ばした。